話は変わって

高田馬場にて会議を行う。参加者はラガー・だいごー・エノ・ボニー、そして私ナイトウとオオサワが遅れて出席。遅刻といっても別に寝坊とかそういうことじゃあない。私とオオサワがかつて在籍していた劇団で公演があったので、その観劇に出かけていたのだ。感想はといえば「頑張っているんじゃないでしょうか」といった感じ。ま、OBがまともな批評を口にするのは概して難しいものなのである。どうしてもルサンチマンのようなものが混じってしまうのでね。
それはさておき、会議である。議題は映画のプロットについて。このプロットというのは本来的には監督が独断で決定すべきものではあるけれど、監督ラガーが「それはちと怖い」との考えがあるようで、皆で話し合うことにしたのだ。いや、独断を恐れるというよりも、目的共有を行いたかったのか。どちらにせよ、私もオオサワも彼の提示したプロットについて特に違和感を覚えなかったので問題はなし。その方向で映像編集を進めて行くことになるのだろう。内容については今後彼からこちらに報告があるはず。
22時に会議を終えて、私とオオサワは再度大学のアトリエに戻る。ちょっとしたOB会のようなものがあったのだ。懐かしい面々に顔を合わせ、そのまま高田馬場へ飲みに出かける。私が劇団を引退してから一年以上の時間が経っていたけれど、当時のノリでだらだらと昔話に花を咲かせた。「あの公演は本当にクソだった」「当時、あの先輩が本気で嫌いだった」「あいつとあいつはずっと付き合っていた」とそんな感じ。あぁ懐かしい。
私の所属していた劇団は前近代的な体質を持った団体で、「鉄拳制裁」とか「土下座で謝罪」とかまるでどこかの相撲部屋のようなことが毎日のように行われていた。良く言えば本気で舞台制作に熱中していたということだけれど、ま、要するに不器用というか精神年齢が低かったのだろう。その拙さを当時の私は本気で嫌悪していたけれど、今思えば大事な期間を過ごせたように思える。何かに熱中するって本当に大切なことだよね。数年後、この高尾プロジェクトを振り返ったときに同じような感情を持つことができたならばそれは本当に素敵なことだと思う。