フライデーらがあです。先日ヤングリ(Japan Young Greensの略称)の仲間と映画を見に行ってきました。映画のタイトルは「日本の青空」。内容は日本国憲法制定過程に、実は日本人の憲法学者の意向が取り入れられていた、という話。タイトルからも分かるように護憲派の人たちが作った映画です。
『日本の青空』
それにしても…。中身をひと言で言えば「ザ・民青センス!」。「民青」、即ち日本共産党の青年組織で正式名称は「日本民主青年同盟」。「過激な暴力」によらない、「議会主義」によるカクメイを目指す人たちの集まりですね。全学連全共闘とは一線を画し、代々木の日本共産党からの指令の下、今日も金太郎飴のごとく幹部連の口真似をしてカクメイを目指しています。
民青は置いといて、映画ですね。感想の要点を幾つか挙げますと、

1.【プロパガンダ
→安倍前総理の国会答弁を皮肉り、「至高」や「畏れ多い」といった天皇に対して用いる形容詞を揶揄する。エンディングのシーンでは河川敷でアカい旗や幟を立てて護憲を訴えている人たちの姿が大写しに。ここまで露骨だと正直ガッカリ。少しはオブラートに包んでくれぃ!
2.【代々木理論】
→「女性解放」(選挙権の獲得)を果たせば「戦争はなくなる」(女性は戦争が嫌い)という、現代では余りに危険な「代々木理論」を堂々と展開する顔の厚さは、彼らの封建主義的精神を図らずも証明している。大体、女性に参政権があったアメリカが第二次大戦以来世界中で最も好戦的な国であることをどう説明するのだろうか。民青とは異なるが、かつて連合赤軍が「ハウスキーパー」なる忌々しい仕組みをその団体の内部に持っていたことを思い出させてくれる。
3.【戦後サヨクの詭弁】
→反米だけどアメリカがくれた日本国憲法は好き。そうした彼らの精神は、日本の憲法学者鈴木安蔵を善人として引き立て、GHQは悪人と決め付けこき下ろそうとする。すると、「鈴木が作った憲法草案をGHQが日本政府に押し付けた。だからGHQが押し付けて作ったと言うよりも、これは鈴木が作った憲法だ」、という屁理屈をこねて恬として恥じない。戦後サヨクの典型的詭弁をここに見る。
4.【わざとらしさ】
→映画のヒロインが「派遣社員」という、今時ありがちな社会批判を入れてくる辺りが非常にいやらしい。映画とは何ら関係がない設定であり、わざとらしい。  

結論を言えば、針小棒大を事とし、自分たちに都合の良いことはどんなに小さな事実でも大きく取り上げ、無視出来ない大きな事実も自分たちに都合が悪ければ一切取り上げない。そういった代々木系サヨクの「狡さ」がよく表現されていました。「日本の青空」を作った連中の前途には「真っ黒な雷雲」がどこまでも広がっているな、そんな印象を受けましたね。私たちが作るドキュメンタリー映画では、決してこのような轍は踏みたくはないと思います。自分たちの考え方の正当性を一方的に主張したいだけならば、運動とは何のためにあるのか。胸に秘めた確かな想いは、それ自身必要なものであるし、それが無ければ始まらない。しかし、その想いを自分以外の人たちに伝えていくためには、自分と異なる考えを持った集団の中に、自ら進んでいくべきではないだろうか。同質な人間で占められた集団が十年一日の如く、お互いを確かめ合って終わるだけならば、既に運動は力を失ってしまっていると言って良い。

私たち自身、高尾山に対する深い想いがある。しかし、想いがあるということを「想いがあります」と言って伝えていくことはナンセンスでしょう。そういった言葉を使わずに、わざとらしい構成を仕組まずに、さり気無く事実を写していけば、それだけで分かる人には分かるのではないだろうか。大体、あるテーマを映画化しようとした時点でそのテーマに深い関心があることは分かる。その上余計な贅言を繰り出す必要など毛頭無い。
「伝える」ということの意味を、私自身が「受け取る」者となった時どう思うだろうかと、常に置き換えて考えるみることを意識し続けたいと思う。

執筆者:ラガー