映像作成 〜地権者A.Mさんとのお話〜

先週、ラガーと二人で土地の権利を持つ方(地権者)の一人の方にお話を伺いにいきました。ご高齢の女性の方(一応、イニシャルでA.Mさんにしておきます。)で、昔はその方の夫が反対運動のリーダー的な役割を担っており、今はA.Mさん自身が反対運動の中核的な存在となっています。
高尾の駅から歩くこと30分。紅葉に色づく高尾山を目前とする位置にお宅はありました。石垣の上に畑を挟んで並ぶ家の中の一つ。敷地の入り口からは柵や庭の木で見えませんでしたが、玄関までは石垣を数段登ってすぐ。しっかりとした木造の一軒屋でした。まず、着いて驚いたことはその家の真後ろには線路が通り、真上を高速道路が通っていたことです。家と線路の間は、電車が通るたびに家が震えるほど近いです。これが開発の影響なわけですね。ここに到着するまでにも風景に不釣合いで威圧的な金属の化け物が幾つか居座っていましたが。
玄関からお宅に声をかけると、年齢を感じさせない元気で温和な雰囲気のA.Mさんが迎えてくれました。落ち着く香りのする木の家の中で、お茶もいただきつつ掘りごたつを挟んでほっこりしながら、一時間半ほどお邪魔しました。話は高尾山の圏央道建設反対運動のことを中心に、昔から今のことまで色々とお話をしました。
自分が何よりも悲しいことだと感じたのは、かつては反対運動に一致団結していた地域住民が、A.Mさんの夫が亡くなったことをきっかけに団結がほころび始め、結果としてコミュニティの輪が崩れてしまったことです。穏やかな自然に囲まれ、近隣の住民と支えあって静かに暮らすというのは、きっと今の社会の流れの中では難しいことなのですね。
そして、やはり行政側の不誠実な対応には不満が募るばかりです。行政とは何のためにあるのでしょうか。今の日本の社会は経済的な視点が強すぎて、もっと大事なことを忘れてしまっている気がしてなりません。

あ、そういえばこの時、自分は最後まで名乗るの忘れて帰ってきました(^_^;)