本年も宜しくお願いいたします

新春のお慶びを申し上げます 平成二十年元日
 
新年明けましておめでとうございます。昨年中は当「高尾プロジェクト」をお引き立て頂きまして誠に有難うございました。本年もプロジェクトメンバー一同、ドキュメンタリー映画の制作、並びにパンフレットの制作に全力を傾けて参る所存です。どうぞ昨年に変わらぬご指導、ご鞭撻の程宜しくお願いいたします。

早速ですが、私たちが映画の対象としている高尾山、その高尾山が位置する東京都八王子市で1月20日告示、27日投票の八王子市長選挙が迫ってきています。目下のところ立候補者は二人。一人は現職の黒須隆一市長、そしてもう一人が「高尾山の自然を守る市民の会」事務局長、橋本良仁さんです。

現職の黒須市長は自民党公明党が推薦を予定しており、橋本氏には共産党社民党生活者ネットワークが推薦を予定しています。民主党は未だ様子見模様ですが、国政において二大政党による対決姿勢が鮮明になる中、安易に自民党公明党の推薦候補に「民主党推薦」のお墨付きを出すようなことは考えにくいというのが実際のところでは無いでしょうか。解散総選挙も近いと噂される中、八王子市を抱える小選挙区・東京24区は前回の郵政解散で現職の萩生田光一氏(自民党)が二期目の当選を果たしたに過ぎず、自民、民主ともに磐石の地盤とはとても言えないというのが現実です。とすると、八王子の民主党としては政権交代の為に何としても議席の奪回に執念を燃やすと思われ、その前哨戦とも言うべき八王子市長選挙で与党候補に相乗りするような事態は避けたいというのが本音だと思います。

さて、何故私がこれ程までに市長選挙に注目するかと言うと私が「大の選挙好きだから」、ではありません。確かに「大人の運動会」(「たーれん」では無く「おとな」と呼んで下さい。そうそう、「河童」を「kappa」と発音するように)とも言うべき「選挙戦」は、玉入れあり(おにぎりの中に実弾を入れる)、カケッコあり(ポスティングで団地内を駆ける)、綱引きあり(いわゆる情報戦)と、運動会の必須競技をすべて満たしているばかりか、それ以外にも水面下での心理的駆け引きが繰り広げられ、アイアンレースさながらの血沸き肉踊るお祭り騒ぎとなるのです!

コホン。。それはさておき、では、八王子市長選挙の行方は高尾山にどう影響するのでしょうか。

現職の黒須市長は圏央道計画を推進されてきた方で、高尾山を貫くトンネルの建設も容認しています。対する「市民の会」の橋本氏は圏央道計画を反対してきた市民運動出身ということもあり、当然高尾山へのトンネル建設は反対すると思われます。黒須市長が当選されれば高尾山へのトンネル建設は着々と進んでいくでしょう。翻って橋本氏が当選された場合はどう出るのか。当然「橋本市長」は市長権限を行使して、所管の八王子市で行われている高尾山トンネル建設に「待った」をかけるでしょう。その法的手順について私は勉強不足のため存じ上げないのですが、市民の会の方によれば市長の権限で工事を止める方法があるとのことです。

但し、よっぽどのことが無い限りやはり自治体選挙においては現職有利です。三期目を狙う黒須市長が圧倒的優勢、というのが口さがない京わらんべの衆目一致するところでしょう。では、対する橋本氏はどう選挙戦を展開するのでしょうか。小耳にはさんだところでは、橋本氏の選対には昨夏の参議院選挙・東京選挙区で当選された川田龍平さん(無所属)を勝利に導いた立役者の一人、環境業界では著名な宣伝マン「マエキタミヤコさん」が全面的に応援されてるとの事。

ナチスドイツの宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスが証明したように、良質な宣伝は多くの人々を動かす際に欠かすことの出来ないものです。今回の選挙戦は、知名度の高い黒須市長が従来通りの組織型選挙を展開し、対する橋本氏が有能な宣伝マンを抱え八王子市全域に広く「空中戦」(ギョーカイ用語:短期間で知名度を上げるためのパフォーマンス)を仕掛けるという構図になると思われます。

いずれにしても、郵政選挙や昨夏の参議院選挙に見られたように、選挙は「争点を作った方」が有利です。計画から24年が経過した今、「圏央道計画の是非」が争点に成り得るかどうか、非常に疑問のあるところですが、いずれにしても重要なテーマの一つには違いありません。

圏央道計画を両候補がどう語るのか、大いに注目したいと思います。


執筆者:ラガー