宇都宮先生にゾッコン!

今週も花金を迎えました。らがあです、こんばんは。
天気予報によると日曜日には東京に雪が降るかもしれないとのこと。今週の日曜日はみなさんご存知、八王子の市長選挙告示日です。寒風吹きすさぶ中での第一声となるのでしょうか。今のところ得ている情報では、黒須候補には町村信孝官房長官石原伸晃自民党代議士が応援に駆け付けるそうです。ここは国政との太〜いパイプをアピールして、「八王子に黒須隆一あり」と内外に喧伝したいところでしょう。

しかし、黒須陣営も堅牢不抜の陣構え、とは行かない様子。ある市議会議員の報告によれば黒須市長の弟が経営している「黒須建設」は、八王子市から多額の工事を受注しているそうで、「発注者が兄、受注者が弟」というアヤシ気な関係も取り沙汰されていて、市議会自民党議員の中でも黒須候補に全幅の信頼、とまでは至ってないようですね。

16日の水曜日には、高尾駅北口で行われました橋本良仁候補の朝遊説の模様を取材に行きました。非常に冷え込んだ朝でしたが、多くの運動員の方が揃いの白いウインドブレーカを着込み吐く息も白く、「グッドバランスでいこう」というキャッチフレーズを大書したビラを配っていました。さすがに地元だけあって、橋本候補と笑顔で握手をしていく人が何人もいました。しかし、「どうなのかなぁ」と思ったことが一点ありました。それは、演説の中に「憲法九条と二十五条を守る」という発言が出てきたことです。

「どうなのかなぁ」と思った理由は二つあります。一つ目が、「市長には憲法は守れない」ということです。憲法を守る、或いは変える要件を満たしているのは国会議員だけのはずなのに一自治体の市長候補が「憲法を守る」というのは大言壮語ではないだろうか、という疑念が消えません。二つ目に、「憲法九条を守る」という発言がもたらす影響です。

周知の通り、昨夏の参議院選挙で民主党が大勝したために、最近は「憲法改正」といった話はスッカリ影を潜め、福田総理も「生活者・消費者が主役となる社会」と掲げ出しました。そういう情勢下にあって「憲法九条を守る」という発言は必要なんでしょうか。どう考えてもこの発言では、保守層の受けが良いはずがありません。多くは言いませんが、社民党共産党生活者ネットなどの推薦をもらってる立場上、こういった点に言及せざるを得ないのかもしれませんが、現実的な政治感覚を持って対応すべきではないか、そんな気がしてなりません。

さてさて、話題を変えます。

実は昨夕、弁護士の宇都宮健児先生の勉強会に参加して来ました。タイトルもズバリ「国会対策のノウハウについて」(!)。
弁護士志望の私は、何を隠そう宇都宮先生の大大大フアン。「多重債務者問題」に30年来取り組んで来られた先生は、2006年12月13日の「貸金業規制法・出資法・利息制限法」の改正のために、文字通り鬼神をも泣かしめ、懦夫をも立たしめる八面六臂の活躍をされた弁護士です。

その宇都宮先生による「国会対策のノウハウについて」と題された勉強会。僕は講義を受けながら、「こういうことを勉強したかったんだよなぁ〜!」とゾクゾクする感覚を味わいました。日本の法案は与党=自民党の政調部会でほぼ決定されるということ。政府提案の法案(現在、日本で一年間に成立する法律の内7割以上を占める)は省庁の審議会レベルでほぼ決定されるということ。では如何にして、自民党の政調部会、省庁の審議会における議論の行方をリードするか。その辺りのオモテ話にウラ話、出るわ出るわの二時間弱。質問時間を含めた三時間余りがあっという間に過ぎ去って行ったのでした。

昨夕の勉強会で学んだことの第一は、やっぱり運動(世論形成)と国会対策(ロビーイング)、両方が車の両輪のように動いて始めて制度は作れるのだ、ということです。

僕たちが高尾プロジェクトで行おうとしていることは、言ってみれば運動です。環境問題を考える際に政治を考えなければならないのだ、ということを伝えるための取り組みだと思ってます。しかし、そこから先、では運動で集めた世論の力を、どのように政策や制度に反映させるか。そこを僕たちは同時に考えていかなければならないのだと、改めて思うのです。

宇都宮先生は次のようにも仰ってました。「決議や声明を幾ら上げたところで、それを実践させなければ画に描いた餅だ。それを実践させる活動があって、初めて決議や声明に意味が出てくるのだ。世の中にゴマンとある決議や声明が全部実施されてたら日本はもっとマシな国になってるよ」と。

本当にそうですね。その通りだと思います。

宇都宮先生の話を聞きながら、次第次第に「自分も先生のようになりたい」という感情が湧いて来ました。「この人のようになりたい」、と思えたのは、歴史上の人物以外では、もしかしたら初めてかもしれません。

さあさあ、一路勉強あるのみですね!