乳酸菌とってるぅ?

二度目の代役となりました、りっちです。
本当は圏央道建設による経済効果について書きたかったところですがここはこらえて、本日は温暖化シンポジウムの企画について述べようと思っています。

Japan Young Greensは、環境を政治政策から変えていこうとする、数多くの環境団体のなかでは異色ともいえる環境NGOです。
ヤングリでは日本の環境政策が遅れていること、日本の大学生の地位が極めて低いことを問題として捉え、これに対し有効な手段として温暖化シンポジウムという企画を発案しました。発案者は現代表です。

どういう形式かというと、

自民党民主党、学者、企業、NGO、青年などの分野で気候変動と京都議定書について語れる方を招聘し、我々が示した問題に対してパネルディスカッション形式で核心ついた議論を展開していただく

そのような形式でした。この企画の参加者も学生200人を目標とし、日々動いておりました。

では、どうしてこのような企画に至ったのか、その意図について話します。

今回この企画を発案したのは、日本の温暖化対策が極めて遅れていることに対する問題提起、それに加えて、以下の4つの理由があります。

1.学生(青年)の環境活動の社会的影響力を大きくするため
2.政治に関する影響力の可能性を見出すため
3.環境大臣に対して青年として対等な立場を主張するため
4.温暖化に関する将来的な議論を喚起するため

まず1について。
現状では、学生の環境活動というものが社会に影響力を与えているとは評価できないと考えられます。これまで学生による温暖化などの問題に対するアプローチは京都の約束、自転車きゃらばん、その他いくつもの活動が今までありましたが、基本的には意識啓発に偏っており、また、現実的な効果があるとはまだとても評価できません。温暖化に関して排出量を増加させているのは、意識啓発が効果を発揮するはずの家庭部門や業務部門だからです。
そして問題意識は2につながります。
日本の学生はこれまで、いわゆるノンポリ(ノン・ポリティックス=つまり政治に対して無関係・無関心な態度)であることが一般的でしたが、この現状を打破するためにも政治的取り組みを積極的に推進させようというのがJapan Young Greensです。
温暖化に関しても、実効性ある対策として議論されている炭素税や排出権取引などは政策としての実現が必要ですが、日本は、極めてその政策的対策が遅れている現実があります。現状の温暖化対策の遅れも、この政策的対策の遅れにあるといえるのではないでしょうか。この点に関しての議論を盛り上げ、青年として政策への影響力の可能性を追い求めるのが、今回の温暖化シンポジウムの企画目的の大きな意図のひとつです。
3について。
現在、鴨下環境大臣が、YouthG8などの青年の活動を聞きつけ、大学生と環境問題に関わるキャンペーンをしようと動いているようです。しかし、その鴨下大臣の提案するキャンペーンの肝心の中身はというと、「サミットに向けて七夕の短冊に環境への想いをかいてもらい、サミットの際に象徴的な場所に飾る」という企画だそうです。一国の大臣が大学生に求めるのがこのような安易な活動でよいのか、非常に疑問を覚えます。大学生であるならば、日本という国のおかれた現状に向き合い、政治に対して積極的に関わることを考えても良いはずです。その際には、批判的であることも必要だと思います。現状は、安易なキャンペーンに徹している場合ではないほど深刻な状況だと思われます。政治家との政策的な議論の場を設けることは、今後の青年の環境活動が影響力をもつためにも不可欠だと捉えています。
4について。
現在、日本は温暖化対策に極めて遅れを見せており、第一約束期間に突入したにも関わらず排出量は依然基準からかけ離れたままです。このままでは、温暖化対策の解決を排出権取引によるロシアや中国への莫大な金銭的支払いのみ、によって達成する懸念があります。そのような危機が、将来において現実化する可能性を強くしている以上、この議論を活発にし、政治への影響力とすることが重要だと考えられます。強いては、学生・青年の問題意識をその方向に向けることも必要だと考えられます。

以上のような論点を包括的に扱い、活動の影響力を大きくするためにも、複数の団体による協力、それによる広報、および人員の動員、ネットワークの強化を達成し、今後の青年の環境活動、およびそれの社会への位置づけを確固たるものにすることが、今回の企画の最大の目的です。


この企画によって日本の環境政策、すなわち炭素税や国内排出権取引制度の導入が進むきっかけができるよう、また日本の青年が政治家と対等な議論が行えるよう、積極的に準備を行っておりました。

A SEED JAPAN、エコリーグ、早稲田大学環境ロドリゲスといった、日本の環境活動において常にリードしてきた組織との共催を図り、そのネットワークを駆使して参加者を集め、パネリストたちとの真剣な議論を後押ししようとしていました。

しかし、ある理由から、3月に開催を予定していたこの企画は実行が困難となってしまいました。

そもそも、今回の温暖化シンポジウムはもともと、以下のような理由で3月に開催することにしていました。

1.発案者の現代表が今年度でヤングリを離れる可能性が大のため。

2.京都議定書の第一約束期間に入り、若者の問題意識を早めにこちらに向けたかったため。

3.新年度のヤングリへのメンバー募集のため。

しかし、いろいろ進めていくうちに以下のような弊害が生まれ、3月21日の開催が危ぶまれるようになりました。

1.発案者のキャパシティの限界を超えてしまう

A SEEDやエコリーグの実力者の協力を得るためには、これまで環境活動歴が長い現代表による交渉が不可欠でした。
われわれの間で企画を進めていると、どうしても発案者との間で企画意図のズレが生じてしまう。そこで重要な話し合いでは現代表の協力が不可欠だったのです。
しかし、現代表は非常に多忙な状況で、こちらの企画以外でやるべきことがあるため、いつまでも力を借りるわけにはいかない。

現代表の力を借りずに火の玉になれる存在が引っ張っていくことも考えられましたが、企画代表者である私がいくら頑張っても自身の活動歴は皆無。排出量の算出方法やインベントリオフィスの資料など、企画代表者として知っておくべき素材をまだ集めている段階にはあらず、現代表が今まで積み重ねた知識があってこそ成り立つものです。そのため、ネットワーク構築、また政治家へのアプローチの際などはリスクが非常に高いと判断せざるを得ません。
現代表無しで実行できるよう、まずは企画代表者である私の実力を高める必要があります。



2.通常国会の状況からしてみると3月は忙しい
会期中であれば国会議員は永田町にいるため、東京でシンポジウムを行うとすれば呼びやすいです。また、週末はそれぞれの選挙区に行ってしまう議員もいるので、平日の午後のほうがいいのではないかということでした。

しかし、3月といえば予算を出す関係で非常に忙しい月になっている時期で、この時期に依頼しても議員さんからしてみれば我々はただの学生。シンクタンクコンサルタントではないし、太郎塾に所属しているわけではありません。エコリーグやA SEEDとの共催が実現するとしても、永田町にいる国会議員からしてみればただの学生であることに変わりません。そのためドタキャンも有り得るということです。



こういう事情があって、温暖化シンポジウムは3月21日には行えないと判断し、見送ることにしました。
共催の話を持ちかけておきながら結局は取りやめになってしまいました。エコリーグの事務局員、そして理事皆様には大変ご迷惑をおかけしました。



国会議員にアプローチするには学生によるボランティアやキャンペーン活動ではなく、企画担当の何人かが専門家の学術論文を読解できるほどのレベルに達しなければなりません。でなければ、鴨下環境大臣が学生を小馬鹿にしていることに対し「学生もちゃんと考えているんだ」と働きかけることはできないでしょう。ただでさえ青年の投票率は低いんですから、彼らにとっては協力しても票が得られるわけでもないわけです。


振り出しに戻ったところでとある組織から、こんな案が出てきました。
「いくつもの分科会を一度に開催する形式はどうだろうか」
つまり、一つの部屋で4〜5箇所に分かれ、それぞれのスペースで分科会を行うというスタイルです。
200人と言う規模のシンポジウムではかなりのリスクを伴う。そのうえでのこの案です。


そこで今後は高尾プロジェクトとの兼ね合いも考慮し、どのようなイベント形式で社会に発信していくかを話し合っていくことになりました。それと同時に、私をはじめとする企画担当者は温暖化について何でも答えられるよう、理論や最近の動向も含め勉強する必要があります。

今はその期間であると思われ、この企画は一時凍結としています。ご理解ください。

この企画は中止になったのではなく、あくまで一時凍結となっているのだということを強調して本日の執筆を終えたいと思います。